■共演者に恵まれている
渡邊は東北地方でモデル活動をしていたが、デビュー作『ジオウ』の時点で24歳。役者としては比較的遅めのスタートだが、前出の『シネマトゥデイ』にて、
「時間は戻らないので、それを嘆いてもしょうがないわけで……。逆に僕は24年間ずっと誰の目も気にしないで、普通の社会経験をしてきた。その経験は強みになるのかなと思っているんです」
と、ポジティブに受け止めている。
「『ジオウ』では主人公の未来を知る謎の従者でしかも1人2役という、役者デビュー作でいきなり強烈な個性を放つキャラをやりましたが、その後20年の『恋つづ』でヘタレだけどの好青年な若手医師を好演。かと思えば、同年次クールには『MIU404』(TBS系)でジャーナリスト気取りの胡散臭いナウチューバー(元ネタはYouTuber)・特派員RECと、短期間にありとあらゆる役を演じていて、どれも非常にしっくりくると好評でした。今後が楽しみな役者の1人です」特撮ライター)
渡邊にとって幸運なことにデビュー作の『ジオウ』では、おやっさん枠で出演していた生瀬勝久(60)がメインキャストの若手に直々に演技をアドバイスしてくれたそうで、『ジオウ公式読本』(ホビージャパン)のインタビューでは、
「僕は“自分のプラン”を考えて来る方だったんです。でも、生瀬さんは“そういうのはいらないから”と。お芝居はナマモノだから、現場で生まれるものだからとおっしゃっていて。それを聞いて確かにそうだと思ったんです」
「生瀬さんとお話して芝居に対する意識が変わったことで、現場でソウゴ(奥野壮)やゲイツ(押田岳)やツクヨミ(大幡しえり)がそう来るならこっちもこう出るかとか、そういう生のリアクションが自分の中から湧いてくるようになったんじゃないかと思います」
と、実に勉強になったことを明かしている。ちなみに生瀬は渡邊について、
「あれだけ端正な顔立ちをしている方も珍しいし、話し方もとってもマイペースで。いつも僕たちの話を聞いて、それをどういう風に理解して返すか考えていましたね。そういうところはやっぱりちょっとお兄さんでしたよ」
と、賞賛していた。
デビュー作でベテランの生瀬と1年みっちり演技ができて、その後も佐藤や三浦さんといった事務所の先輩から多くを学べた渡邊。『恋つづ』で“天堂ロス”した佐藤のように、ぜひ“推しロス”を引き起こしていただきたいーー。