■過去の黒歴史ドラマとは別人

 しかし、今回の1番の立役者は、危険をかえりみず少女を救おうとした、夏梅役の菜々緒だろう。ドラマの冒頭、彼女は過酷な救命救急と病棟業務を兼務しながら、母の助けを借りつつ、保育園に通う娘を1人で育てていることが描かれる。

 そんな、医療従事者としてだけでなく、母としての強さが魅力となり、夏梅の人質や警察官どころか犯人の命まで救おうとする姿がカッコ良すぎた。鈴木亮平は放送前、自身のツイッター上で「今日は誰もが、きっと菜々緒さん演じる看護師・夏梅さんに惚れてしまうことでしょう」と訴えていた。

 また、視聴者もツイッター上で「命の危機にさらされても犯人をも治療しちゃう菜々緒ママかっけー」「このチームの中に菜々緒氏がいることがほんとうれしいしかっこいい」「菜々緒さんは悪女のイメージが強かったけど、今や勇敢でたくましくかっこいい女性のイメージ」などと、称賛の声が相次いでいた。

 菜々緒が脇を固めていることで、役柄的にも配役的にも安定感が出ていて、同ドラマに欠かせない存在になっている。主人公の新人救命士(福士蒼汰/28)の、天真爛漫な画家の義姉を演じてイメージチェンジを狙った、19年放送の『4分間のマリーゴールド』(TBS系)の低視聴率がウソのよう。やはり、菜々緒にはクールビューティで、デキる女が似合うようだ。(ドラマライター/ヤマカワ)

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