ここまで、乃木坂46メンバーが“人間ならざるもの”を演じている個人PVにフォーカスしてきた。それら無機物や霊魂、他の生物が人間の姿に変異したものなどをモチーフとした各作品は、こうした物語の必然として、異なる他者とのコミュニケーションを主題にしたものが多くなる。また一方で、主人公自身が“人間ならざるもの”と“人間”との境界に位置するような個人PVも生まれている。たとえば乃木坂46の20枚目シングル『シンクロニシティ』収録の久保史緒里の個人PV「吸血鬼 史緒里」(監督:中村太洸)はそのようなタイプの作品である。