■中田翔出演のポスターについて札幌市保健所からの回答

 医療従事者等への差別・偏見根絶のため、札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」には日本ハムと札幌市保健所が連携したポスターが掲示されていた。

 そのポスターは「新型コロナウイルスによる差別や偏見をやめよう、なくそう」といったことを呼びかける内容で、「感染者が発生した病院の従事者が他の医療機関の受診を拒否される」「感染者が発生した医療機関がSNS等で中傷される」といった、コロナによる医療従事者へ行われる差別に対して、日本ハムの選手が「not good」と訴える構図になっている。

「1つのメッセージにつき選手が1人、という構成になっていますが、中田選手が腕を組んでこちらを見つめるポスターは“勤務先から出勤を拒否される”というメッセージなんです。

 もちろん、このメッセージは医療従事者やその家族の実情を訴えたものなのですが、同僚選手に暴力を振るい、試合途中で自宅謹慎を命じられ、球団社長から“ユニフォームを着させることはありません”と言われた中田選手の現状とピッタリ合致してしまっているんですよね……」(前出の夕刊紙記者)

 札幌市広報部に、このポスターが今後どうなるのかなどについて問い合わせたところ、札幌市保健所から回答があり、チ・カ・ホでの掲出は1か月限定で、6月にはすでに撤去済みだという。現在はA2サイズのポスターが市営の施設などに掲出されているが、特に撤去の予定はないといい、中田選手が球団から除籍されているわけではないことも、撤去しない方針につながっているようだ。

 また、自宅謹慎中の中田選手が“勤務先から出勤を拒否される”との内容のポスターに出ていることについては、「皮肉な感じにはなってるかなと思うんですけど、(コロナと処分では)内容は違いますし、こんなことがあったからといって差別偏見をして良いわけではない」ということだった。

 コロナにおける偏見と今回の中田選手の暴力事件は別のこと。札幌市保健所の毅然とした答えだったが、ペナントレースも終盤に差し掛かる中、中田選手の暴力事件は日本ハムに暗い影を落とすことになるのかもしれない……。

  1. 1
  2. 2
  3. 3