■『ラフ&ミュージック』は「コア層の全部取り」!

『27時間テレビ』がない現状、『ラフ&ミュージック』はフジテレビを象徴する特番となった。

「音楽とお笑いの融合という新しいパッケージでやったのも、40代から下の若者をガッチリつかむため。今が旬の芸人は当然押さえていたわけですが、松本さん、中居さん、ナイナイの共演というのもすごい。松本さんとナイナイが共演するだけでも視聴者は“おっ!”となります。もちろん、松本さんと内村さんの共演も盛り上がる。

 ただ、それがど真ん中に刺さるのは30~40代です。コア層でも上の世代にも目くばせしつつ、今が旬の若い芸人やアーティストに出演してもらい10~20代に訴求している。つまり、“コア層の全部取り”を狙ったのではないでしょうか。コア層を取り込む豪華メンバーをしっかり押さえているわけです」

 BIG3の出演がなかったことについては、

「土日は他局でもいろんな番組をやっていて、NHK大河ドラマや『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)などのシニア層狙いの番組もある。そこと競合しないように、若い人に見てもらうために、『ラフ&ミュージック』はコア層に振ったのではないでしょうか。

 また、芸人とアーティストの共演が実現できたのもフジテレビの経験値ですよね。アーティストにはお笑いの企画や、芸人とのトークを嫌がる人も少なくない。ただ、フジテレビではこれまで『Hey!Hey!Hey!』や『LOVE LOVE あいしてる』のような、バラエティ番組っぽい音楽番組をやってきた実績がある。

 だからこそ、他では呼べない、浜崎あゆみさんのようなカリスマアーティストも呼べた。なんでもお祭りにしてしまうフジテレビのいい部分が出ていましたね」

 8月30日、番組のキャプテンを務めた松本人志は、「ラフ&ミュージック。おおむね好評だったようで大成功ぽい感じです! 皆さんお疲れ様でした! ありがとうございました!」「来年は浜田で五夜連続だそうです!」とツイートした。

 高いコア視聴率を記録した『ラフ&ミュージック』は、視聴率低迷で苦しんだフジテレビの“逆襲の第一歩”なのかもしれない――。

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