■1976年創業の「長崎」

 ちなみにその他の番組に登場した店の並びは、浅草ホッピー通りでもピカイチの名店「正ちゃん」、北千住の看板がぐにゃっと曲がった「双子鮨」、西小山の果物屋を兼ねる「フルーツパーラーたなか(閉店)」、東小金井のハンバーグで知られる「だんでぃらいおん」、吉祥寺の札幌ラーメン店「ピリカ(閉店)」、横浜でも保土ヶ谷の「上海飯店(閉店)」。

 どれも馴染みのある店ばかりで、何軒か閉じてしまったのが残念でならない。ところが、1976年創業の長崎はどっこい生きている。

 カウンター席のみの8人も入れば寿司詰めの店だが、壁には芸能人のサインがビッシリ。「まいうー」でお馴染みの石ちゃん(石塚英彦)も番組で来ていたが、ご主人曰く、近所で店を経営するという、はるな愛は常連だそう。

 界隈には劇団関係者も多く住む。ドラマに舞台に映画と名バイプレイヤーとして活躍する池田鉄洋さんもご近所で、昔からの行きつけというので、去年は某誌でのインタビュー場所とさせてもらった。

 三軒茶屋には7〜8年前まで2館の名画座があり、ぼくはどちらかの番組を観に、ほぼ週1か隔週ペースで通った。それも遡れば中学時代に始まるので、鑑賞後にはかなりの確率で「長崎」に寄った。だから取材時も、ご主人はぼくの顔をよく覚えてくれていた。嬉しかった。

 『みなおか』に話を戻すが、そこで人生で初めてチャンポンを食べたというのが北川、平井理央アナ、おぎやはぎ矢作兼だった。それまでにもリンガーハットくらい使ったろうと思うのだが、お初が「長崎」でよかった。本場のちゃんぽんにはもっと癖がある。そもそも豚骨や鶏ガラ、魚介の出汁に野菜の旨味もふんだんに溶け込んだ、ちゃんぽん自体、ぼくは世界一の麺類だと思っている。北川はむろん大絶賛し、見事きたなシュラン星3つ獲得!という結果だった。

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