櫻坂46田村保乃「柔和なイメージとグループ性のギャップ」に見るグループの可能性の画像
※画像は『田村保乃 1st写真集』より

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
櫻坂46田村保乃 後編

 以前、森田ひかるの記事(https://taishu.jp/articles/-/93002)でも言及したが、櫻坂46は表題曲センターという形式上のセンターは置きつつも、欅坂46のようにセンターを固定化させず、選ばれた3人がそれぞれの楽曲のセンター務める形式を取ってきた。

 これまでは森田ひかる、藤吉夏鈴山崎天という2期生がセンターを務め、櫻坂46におけるセンターの新しいあり方を提示してきたが、3rdシングル『流れ弾』では、新たに田村保乃、森田、渡邉理佐の3人がセンターに抜擢され、森田以外の2人は初のセンターとなった。このようなセンターを流動的にしたことにより、各メンバーにスポットライトが当たり、個性が発揮される土壌を作ったのは櫻坂46の大きな強みと言えるだろう。

 とはいえ、誰もがそのセンターポジションに選ばれるかと言えばそうではない。楽曲が表現したい世界観やグループにおけるポジショニングといった様々な要素が関係し、そのシングルにおけるセンターが抜擢される。その意味では、田村のセンター抜擢というのは意表を突かれたというものでもないし、2期生を牽引してきた実績やパフォーマンス、個人活動を総合して考えればむしろ、ようやく回ってきたという印象だ。

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