■岸田文雄氏は開成OBの同窓会「永霞会」会長

「実は、岸田氏の首相就任は、“ナベツネ”こと渡邉恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆(95)の“悲願”だったんです。渡邉主筆は開成中学校、現在の開成高校を卒業後、東京大学を経て、読売新聞社に入社しています。

 岸田氏も同じく開成高校出身です。渡邉主筆と同じように東大を目指して2年間浪人を経験しましたが、受からずで結果的に早稲田大学に入学。政界や各省庁、企業には大学出身者別の“学閥”があり、岸田氏は当然、早稲田大学のつながりも強いですが、出身高校別の学閥も存在します。そして、特に政治家や官僚、また会社経営者にも開成高校出身者は多く、その絆も強いんです」(前出の夕刊紙デスク)

 開成高校といえば日本一の進学校とも称される名門高校。しかし、これまで開成高校出身の総理大臣はいなかった。

「岸田氏が、初の開成高校出身の首相ということになります。渡邉主筆も開成の後輩ということで岸田氏のことを強く応援していたんです」(前同)

 2017年9月、開成高校OBの国会議員やキャリア官僚らでつくる同窓会「永霞会(えいかかい)」の設立総会が行われ、当時、政調会長だった岸田氏が同会の会長に就任している。

「『永霞会』に属する官僚も、開成OBの首相誕生に歓喜しているでしょうね。渡邉主筆にとってもそれは同様でしょう。報道機関が総裁候補の中から1人だけを後押しすることはできません。ただ現実的には、渡邉主筆クラスになれば、そうとうな影響力を持っている。

 渡邉主筆もお元気とはいえ95歳ですからね。最後の悲願として、開成出身の首相誕生を目の当たりにしたい、という思いが長らくあったと言われています」(同)

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