■今後の鍵は相葉雅紀と脚本

 また、交際相手に振られたと泣いている寛に優が寄り添うと、寛は「子猫のようだなぁ」と目を細め、優のアゴを猫のように撫でまわして癒やされていたのだが、視聴者も同様だったようで、「優くんは子猫みたいにかわいくて、アゴなでなでしたくなる気持ち分かる~」などとホッコリしていた。

 一方、視聴者の反響が大きかった“飯テロ”や“癒やし”だけでなく、同ドラマには、母の死に隠されたミステリー的な伏線や、社会問題などシリアスな要素もある。そんな、盛り沢山な内容を脚本家の大石静氏が見事にまとめ、芸達者な段田と佐々木が存在感を発揮したことが、今回の好発進の理由だろう。

 しかし、今後の展開に不安なポイントもある。まず、10月21日に更新された大石氏のブログ「静の海」に、『和田家の男たち』の脚本について「前半は私が書きましたが、後半は脚本家が交代します」と明かされていること。同氏の手腕でまとまっていた構成が、ドラマ終盤で散らばってしまわないか心配だ。

 さらに不安なのが相葉の演技力だ。これまで『マイガール』『バーテンダー』『僕とシッポと神楽坂』など、同局系のドラマで主役を務めているが、その演技力の評価には賛否が別れている。とりあえずの好発進だったが、好調維持は相葉の演技にかかっているかもしれない。(ドラマライター/ヤマカワ)

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