ドランクドラゴン・塚地武雅インタビュー「ネタも芝居も、現場で撮ったものを皆さんに見てもらうという点で、僕の中では一緒」の画像
塚地武雅(撮影・弦巻勝)

 僕は、20代で「ドランクドラゴン」というお笑いコンビを結成して以来、これまで皆さんに笑っていただくお仕事をやらせてもらっています。その一方、30歳を過ぎた頃からは、映画やドラマで役者のお仕事もいただくようになりました。

 芸人と役者――現場に向かうときの気持ちは、どちらも同じ。「さぁ、今日は役者だからスイッチを切り替えて……」なんてことは全然ないんですよ。準備の違いこそありますが、バラエティ番組でトークする日も、コンビでネタをやる日も、お芝居をする日も、現場で撮っていただいたものを皆さんに見てもらうという点では、僕の中で一緒です。

 でも、“演じる”ことへのアプローチは、ちょっと違うかもしれません。コントでは、いろいろなキャラクターを“こんなヤツおったらオモロイ”と思って演じるから、自分自身からできるだけ遠く離したい。一方、ドラマや映画の場合は、演じる役柄をどれだけ自分自身に近づけられるか。やっぱり“リアルさ”が必要になりますから、脚本を読んで、その役柄を理解して、共感できる部分を見つけて……という感じですね。

 お笑いはお客さんがいたり、スタッフが笑ってくれたりするから“ウケた”“スベッた”が分かりやすいんですけど、不思議なことに僕は、映画やドラマの現場でも、「あ、今のはウケたな」って分かるんです。

 笑わせるような面白いシーンじゃなくて、感動的だったり、アンニュイな雰囲気のシーンでも、「ウケた」というのがなんとなく分かる。お笑いでの“笑い声”に何か似ている反応を感じることがあって、それを頼りにいつも演じているんです。

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