■オファーをいただいたときは、はたして自分にできるんだろうかという不安も

 これまで役者として、本当に素晴らしい方々と共演させていただく機会に恵まれました。

 15年ほど前には、渡哲也さんとドラマでご一緒しました。演技のすごさはもちろんですが、ユーモアもあって、本当にかっこいい俳優さんでした。顔合わせのときには「渡と申します。よろしくお願いします」って、あちらからごあいさつしていただいたんですよ。その後ろには、付き人として来られていた館ひろしさんがいて、「渡がお世話になります」って……。内心“知ってますって!”とツッコミながらも、恐縮のあまりアタフタしてしまいました(笑)。

 今回出演した映画『梅切らぬバカ』で僕の母親役だった加賀まりこさんも、本当にすごい方でした。クランクインのときには完璧に役の準備が整っていて、監督とディスカッションしながら、より良いシーンを目指して演技をなさっている。頼りがいがあって、いろいろなことを教わりましたし、僕が言うのも何ですが、母性のようなものも感じられて、演技しやすい環境も作っていただいた。加賀さんがお母さんをやってくださったからこそ、僕が息子を演じることができたと思っています。

 これまで役者の仕事の多くは、たとえばNHK朝ドラの『おちょやん』での芸人役のように、これまで僕が培ってきたことを生かせる“笑わせる”ポジションでした。でも、今回の『梅切らぬバカ』は、50歳の自閉症の男性という難しい役。オファーをいただいたときは、はたして自分にできるんだろうかという不安もありました。でも、作品のテーマを知って「少しでも僕が力になれるのなら」と、真摯に、誠実に、できる限りのことをやりたいと思って臨みました。

 実は僕は役者として夢があって、アクション映画をやってみたいんです。中学生の頃にジャッキー・チェンに憧れて、いつかやってみたいと思っている間にこんなに太ってしまった(笑)。今は逆に「動けるオッサンのデブが活躍するアクション映画って面白いかな」と、ここ数年ジムに通ったりキックボクシングをやったりしています。でもそんな企画、待ってても来ないだろうから、自分でやるしかないかな(笑)。

塚地武雅(つかじ・むが)
1971年大阪府出身。1996年、鈴木拓とお笑いコンビ『ドランクドラゴン』を結成。『エンタの神様』(日本テレビ系)や『はねるのトびら』(フジテレビ系)など、バラエティ番組で人気を博し、ブレイク。そのかたわら、俳優としても活動し、2006年公開の映 画『間宮兄弟』では日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。主な出演作として、映画『ハンサム★スーツ』『アイアムアヒーロー』『樹海村』、ドラマ『裸の大将』シリーズ(フジテレビ系)、NHK連続テレビ小説『まれ』『おちょやん』など。

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