■太平洋に不穏な兆候
高橋氏によると、静岡県から太平洋の伊豆・小笠原諸島にかけて、“不穏な兆候”が見られるという。
「8月には小笠原諸島の海底火山が噴火し、海上に陸地が生まれたり、噴火で生じた軽石が、沖縄に流れ着いたりしています。ここは南海トラフ地震の震源でもあり、危険な時期に入っているんです」(前同)
活発な太平洋プレートに圧迫されたフィリピン海プレートが、南海トラフ地震(東海地震)を引き起こす可能性があるというのだ。
「南海トラフ地震が起きると、連動して富士山が爆発する可能性は高いです。富士山は江戸時代中期の1707年に宝永噴火といわれる大噴火を起こしているが、その49日前には、日本最大のマグニチュード8.9と推測される宝永地震が起きています。この地震は、南海トラフ地震と同じメカニズムで起きたと考えられています」(科学誌記者)
巨大地震発生直後の富士山噴火想像するだに恐ろしいが、我々の生活に与える被害も甚大だ。地震学者で、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏が言う。
「火山灰の影響が大きいでしょう。宝永噴火のときは、噴火の2時間後には、江戸に火山灰が舞ったと記録が残っています。富士山から都心まで、わずか100キロですからね。仮に1センチの火山灰が舞っただけでも、鉄道や空港など交通網に大きなダメージを与えます。それに加え、パソコンや精密機器に入り込むことで、産業に障害が発生するでしょう。また、コンタクトをしている人は、目の角膜が傷つくかもしれません」
前出の高橋氏は、こう警告する。
「富士山は、通常100年に一度くらい噴火するといわれてきた。ところが、宝永噴火からすでに300年経過しています。むしろマグマが堆積していると見るべきではないでしょうか」
恐怖のXデーは、すぐそこまで来ている。