■ドラマに時代の変化を感じる

 そこに井田があらわれ、岡野先生を誘って3人でラーメンを食べることに。井田が手を洗いに席を離れた間に、岡野先生が「青木くんのこと、簡単には理解できないけど、変な疑いかけて本当にごめん」と謝罪すると、青木は「岡野先生は自意識過剰すぎじゃね? 思い込みが激しいし」とダメ出して笑った。

 再び打ち解けた雰囲気になると、青木は「俺だって、誰でもいいわけじゃない。井田が好きなんだ」と、まっすぐな瞳で告白。岡野先生は「そっか」と、笑みを浮かべてうなずくと、おいしそうにラーメンを食べる青木と井田を見守りながら、「何が好きだろうと、人の自由だしな」とつぶやいた。

 今回は、井田が青木の頭をなでる“井田ポン”はなかったが、視聴者はツイッター上で「歩道橋の手つなぎ、原作を忠実に描いててうれしかったし、そこに井田を演じる目黒くん、青木を演じる道枝くんの細かい表情が加わることで、ドラマでしか得られないとてもいいシーンになってた」などと、“井田つなぎ”で大盛りあがり。

 また、「神回だったなぁ。心にズシッと刺さる言葉がけっこうあって、キュンするだけじゃない、いろいろ考えさせられた回でしたね」「LGBTQ+に理解あるドラマ、本当に見ていて楽しい! 令和の高校生違うわ!って思ってたけど、岡野先生みたいな役もいないと成り立たないよね」などと、同性愛者への偏見を取り上げたことに称賛の声が多く寄せられていた。

 これは、偏見について大騒ぎせず、淡々とした描写で解決していたところが、より説得力を増していたのだろう。今期ドラマは、杉咲花(24)が弱視の盲学校生を演じる『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール』(日本テレビ系)など、考えさせられるラブコメが多いが、学びとエンタテインメントを両立させている。令和の新しいドラマが、時代に変化を起こしているようだ。(ドラマライター/ヤマカワ)

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