■批判の出たシーンとは?

 鮫島については、衛が会社の制度を見直すことで、退社問題は解決。宮村は魅力的な引き抜き条件を提示されたが、衛から離れるつもりはないようだ。問題なのは今吉が退職を決意するエピソードで、SNSで“女好きの同性愛者”だと告発されたのだ。

 今吉は、取引先は同性愛者であるという噂をよく思わないし、移転先にも文句をつけられる可能性があるため、すぐに会社を辞めると明かす。これに衛は、こんなことで無くなる仕事も、貸してくれないオフィスも、こちらから願い下げで、「私らはそんなこと1ミリも心配してない」ときっぱり。

 続けて、衛は「今心配しているのは、今吉が嫌な気持ちになっていないか」「人間の、大事な友達のあなたの、心の話をしてるんや!」と語気を強め、犯人を絶対に許さないと訴える。そして、今吉のような素晴らしい人間が会社に必要なのだと語りかけた。

 号泣する今西を衛が「何にも悪くないよ」と慰めながらハグするシーンに、視聴者はツイッター上で「今吉さんの心のダメージに必死で寄り添う衛と、寄り添われた今吉さんの号泣で泣いてしまった」などと、感動の声を寄せていたが、その一方で、苦言を呈する声も少なくなかった。それは、「セクシャリティの問題を真摯に書けないのなら、中途半端に手を出すべきではないと思う。今吉さんを物語を盛り上げるネタとして利用しているようで、見ていてモヤモヤしかなかった」など、同性愛を他者に暴露され、誹謗中傷を受ける描写への批判だ。

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