長谷川雅紀と渡辺隆が結成した漫才コンビ錦鯉。『M-1グランプリ2020』史上最年長ファイナリストとして大ブレイクし、今年11月17日に新潮社より発売された『くすぶり中年の逆襲』で念願の書籍デビューも達成。そんな錦鯉が今年の『M-1グランプリ2021』の決勝前に、これまでと今後の人生について深く語ってくれた。
(第1回/全4回)
――『M-1グランプリ2021』決勝までもうまもなくですね。昨年の決勝戦が錦鯉さんにとって転換期でしたが、漫才師にとって『M-1』とは、どんな大会ですか?
長谷川「一夜にして、人生が180度変わる大会。それで我々も人生変わりましたからね。大げさでもなんでもなく。2人とも12月までアルバイトやってましたから。それがあの日出させていただいたおかげでバイトも辞めれて、仕事も増えてきて」
渡辺「“いちばんおもしろい漫才師を決める”っていうものすごくシンプルな大会なんでね。ぜひこの名誉は、全漫才師が欲しいんじゃないかな」
――おぎやはぎさんがラジオ『おぎやはぎのメガネびいき』(TBSラジオ系)で、決勝進出を果たした錦鯉に熱いエールを送っていましたね。
長谷川「おぎやはぎさんが、僕と同い年(※小木博明も矢作兼も50歳)なんですよね。そういうのもあって、“おっさん頑張ってるな”ってところでそう言ってくださるのはめちゃくちゃありがたいですね」
渡辺「いや嬉しいな。これはもうぜひ、何としても行かないとですね。おぎやはぎさんがそう言ってくれているし(笑)」
――今回の『くすぶり中年の逆襲』もそうですが、本当にお忙しいですものね。企画を打診された際のお気持ちは、どんなものでしたか?
長谷川「めちゃくちゃ嬉しかったですね。僕が去年の『M-1』で決勝進出した時、麒麟の川島さん(川島明)がMCの時に記者会見で“本を出したい”って言ってるんですよ。『人生大逆転』って本を出したい話をしてて。49歳でやっと日の目を浴びてというか、それで。
そこからの1年がどうなるのかは、そのときは分からなかったですけど、そういうことを言っていて。
その後に新潮社さんから本のお話が来たから“うわっ!”って。やっぱり願いは叶うというか、言葉にした方がいいんだな、と思いました。めちゃくちゃ嬉しかったです。
やっぱり、憧れてましたから。自分が売れたときに、本だとかDVDだとかお店に並ぶのが。それがやっと50歳にして叶う。ひとしおですね」
――本の中に長谷川さんのお笑いの原点が『コロコロコミック』という記述があったし、今回の『M-1』のネタも実際にそんな雰囲気がしました。実際のところ、子ども人気が出た実感はありますか?
長谷川「テレビとか出させていただいたので、街中で気づかれるようにはなりましたね。で、指さして“レーズンパンだ!”とか言ってくれたりすることはありますね。それで、たまにお子さんも気づいてくれるというか」
渡辺「営業へ行った時に、“のりのりまさのりのダンス”があるんですけど、それをやって帰りの車に乗ろうとしたときに子どもがバーッて集まってきて、“おじさん、お願いだからあれもう1回やって!”って子どもたちにやらされてるのを見ました(笑)」