漫才日本一を決める『M-1グランプリ2021』の決勝が、12月19日(日)に開催される。決戦を控えたファイナリスト9組のうち、初出場が5組、非吉本勢が4組となった今大会。審査員の松本人志が「なかなかの波乱やな」とつぶやくなど、これまでの大会とは一線を画すツワモノたちが揃ったことで、お笑いファンのボルテージは早くも最高潮だ。
2021年のM―1優勝者予想も含めた今大会の見どころを、座談会形式で語り合ってもらった。果たして6017組の頂点に立つのは、どのコンビなのかーー。
(全5回の第2回)
座談会出席者
公式いか一郎:芸人ニュースを主に担当する50代の芸能ライター。好きなラジオは『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』
ソニー近山:元お笑い芸人の作家。好きな芸人は「ザブングル」。深夜のバラエティ番組をこよなく愛する30代。
ポニー上田:日本の話芸に精通した専門書編集者。ラジオ聴取時間、YouTube視聴時間が勤務時間をはるかに超える40代。
――同じく、連続で決勝戦進出を果たしている③インディアンス(東京吉本)は?
ソニー近山「2020年は敗者復活戦から勝ち上がり、7位。そして、決勝初進出を果たした2019年は、ボケの田渕章裕(36)がネタを飛ばしてしまうアクシデントに見舞われ、不本意な結果で終わりました。3度目の正直で、今年は好成績を残してほしいです」
ポニー上田「是非、出番の1番手を担ってほしいですね。元気いっぱいの2人の漫才は、大会を華やかにしてくれます。一方で出番が後半になったとしても、それはそれでチャンス。今大会は一癖も二癖もある漫才師たちが揃っているので、奇天烈な漫才が続き、観客が食傷気味になった時こそ、彼らの“安心して笑える”漫才が光ると思います」
――今大会で唯一、3年連続ストレートで決勝進出を果たした④オズワルド(東京吉本)についてはどうでしょうか。
公式いか一郎「M―1をきっかけに、今やお茶の間の人気者になりましたよね。ついつい聞き入っちゃう“しっとり”とした語り口の漫才スタイルは、おぎやはぎのようなイメージを与えますが、ある意味で彼ら以上のインパクトを秘めた2人です。特にツッコミの伊藤俊介(32)は、妹が人気女優の伊藤沙莉だったり、重度の寝坊癖がたたって先輩芸人のほんこんとひと悶着あったりと、その強烈なキャラを活かして、各バラエティ番組で大活躍しています」
ソニー近山「あと、白シャツにサスペンダーという見た目も相まって、なんだか吉本興業っぽくないコンビですよね」
ポニー上田「オズワルドは、吉本興業以外の事務所ライブにもよく顔を出しているので、そこらへんの影響があると思います。過去のインタビューで彼らは、吉本芸人の漫才構成力と、他事務所芸人の自由に面白さを追求するスタイルの“いいとこ取り”をしていると答えていました。本人たちも“吉本っぽさ”が薄いことを自覚しているのが面白いですよね」