■生兵法は大怪我のもと
一方、総合格闘技家の草分け的存在で、人気漫画『グラップラー刃牙』のモデルとなった平直行氏は、こんな助言をする。
「まず、教えたいのは“生兵法は大怪我のもと”という宮本武蔵の言葉です。ケンカ慣れしたヤツに護身術なんか役に立たないどころか、かえって“抵抗するのか!”と相手の暴力を誘発してしまいます」
むしろ、狙われない雰囲気をまとうことが重要だという。
「僕はこれまで何千人もの人に格闘技を教えてきましたが、実は“オヤジ狩りに遭いました”という生徒に会ったことはない。ふだんから健康に気をつけ、体を鍛えて、キビキビと歩く人に対して、彼らは声をかけて来ないから。酔っ払ったり、“いい店はないか”と気を抜いて歩いたり、隙を見せるから狙われるんです」
●「素早く逃げる」一択
それでも、絡まれてしまったら「素早く逃げる」一択だという。そして、安全な場所まで逃げて警察に通報すべしとのこと。
くれぐれも「若いヤツにまだ負けない」などと、思うことなかれ。「逃げる」が一番の勇気ある行動であることを肝に銘じよう。