■“1億円”希望退職制度「アナウンサー対象外」のワケ

 前出の制作会社関係者が続ける。

「退職金+定年までに稼ぐはずだった額を加算して支給するわけです。フジとしてはそうまでしてでも新陳代謝を図りたい、ということでしょう。大して何もしていないのに年収2000万円を優に超えている“おじさん”――そうした人も多くいるといいますからね。

 ただ、最大でですが、1億円という額ですから、早期退職希望者が想像以上に殺到しているそうなんです。50歳で仕事ができる人であれば、フジを離れても引く手あまた。そうした“できる人”は外部に人脈もあり、再就職も容易でしょう。なのに1億円がもらえるわけです。それは辞めますよね。

 つまり今回の募集で優秀なベテランが大量流出する懸念が出てきているわけです。また、今回の措置で下の世代にもしわ寄せがくるのは必至。それでさらに下の世代も辞めてしまうのでは、と懸念されているといいます。そのため、今回の早期退職者募集は、フジ内部で“失敗だったのでは……”と言われていますよ」

 制作会社ディレクターはこう話す。

「実は今回の希望退職制度、アナウンサー職は対象外だと聞いていますね。局上層部にしてみたらアナウンサーであっても早く退職してほしいというベテランも少なくありません。ただ、優秀なベテランアナウンサーも少なくないですからね。特に伊藤利尋アナ(49)ですよね。彼は今年50歳を迎えます。

バイキングMORE』では坂上忍さん(54)を上手くなだめたり、見事な進行をこなしています。また、人気番組のナレーションも多数担当していますし、2021年7月の人事でアナウンス室情報担当部長から情報担当局次長に昇格している超優秀な人材。フジとしては彼を手放したくないわけです。伊藤アナならフリーになっても十分にやっていけるでしょう。

 この制度にアナウンサー職を含めると、伊藤アナがフリー転身を決意して、かつ1億円を払う、という局としてはとんでもない最悪な事態に陥る可能性が出てくる。フジ上層部としてはエースアナの伊藤アナの流出は絶対避けたいところでしょうからね」

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