■演技が良すぎるからこその不満?

 視聴者のツイッター上での反応は、「不安を感じてた原作ファンだけど、かなり良かった! 整と薮の最後の応酬は話を知ってても泣けた…菅田っちとエンケンさんの演技力よ!」「“ドラマ化はどうかな?”と思ってたけど、期待以上に演者と演出が抜群にいい」などと好評で、特に俳優陣への称賛の声が多かった。

 視聴率だけでなく、放送後の見逃し配信も好調で、同局のドラマの最高記録を更新する勢いらしい。演出、演者ともにスキのない初回となったが、唯一、視聴者がザワついていたのが、ドラマのバックで流れる有名なクラシックの数々で、「BGMにこだわっている」という声があった一方で、不満の声が相次いでいた。

 それらは「BGMにメジャーなクラシック使うのは、耳がそっちに行っちゃって台詞が入ってこないからやーめーてー」「整のセリフが壮大なクラシック曲で潰されてる気がする。原作はもっと静かに淡々と話していて、それがだんだんしみこんでくるような印象だったから、過剰な演出に感じる」など、セリフのジャマになっているという指摘のこと。

 これは、視聴者がドラマに没入していたからこそ、BGMが気になってしまったのだろう。それだけ菅田将暉らの演技が熱を帯びていたとも言える。今期のドラマの中でも、放送前から期待値が高かった同作だけに、いろいろな意味で最注目になるかもしれない。(ドラマライター/ヤマカワ)

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