■神田伯山もその才能を絶賛
一方、注目される新メンバーは、桂宮治(45)。その名を聞いて、ピンと来る人は相当な落語通だろう。
「世間的には無名ですが、間違いなく次世代の名人候補です。もともとは食えない役者で、その時代に始めたのが化粧品販売会社のセールスマン。各地の量販店で実演販売し、全国トップクラスの成績を収めていたそうですが、落語の面白さに目覚めて方向転換。自分の結婚披露宴で退職を発表し、31歳で三代目桂伸治に弟子入りした変わり種です」(演芸誌ライター)
だが、最初から芸は達者で、入門4年で二つ目に昇進すると、すぐにNHK新人演芸大賞(落語部門)を受賞。真打昇進前の落語家や講談師で構成された『成金』というユニット活動では、地方公演を行うほど、人気を博した。
「『成金』メンバーである、人気講談師の神田伯山は“宮治兄さんはふだんから、しゃべりがめちゃくちゃ面白い”と、早くからその才能を絶賛していました。昨年2月には、昇太以来、29年ぶりの5人抜きで真打に昇進した逸材です。本人は結婚直後の落語界入りに、文句も言わず応援してくれた奥さんに頭が上がらないようですが(笑)」(前同)
前出の西条氏も、新メンバーの桂宮治に、こんな期待を寄せる。
「宮治さんは、『BS笑点』の若手大喜利のメンバーの一人として出演していました。そこからの昇進は、昇太さん、林家たい平さんが歩んできた道ですから、ある意味、順当な人選と言えるでしょう。実際に高座を見ても、パワフルで華があって、先輩でも遠慮しないで前に出ていける。新メンバーに宮治さんが決まって、円楽さんが“また、うるせえのが一人増えたよ”と言っていたように、すでにキャラ立ちしている。掛け合いも期待できそうで、楽しみですよ」
『笑点』に、新しい風を吹かせられるか。