■漫才の場を借りて浜田への愛を語った

 松本は、2014年の8月に実父が逝去した際の話を持ち出し、

「私、松本人志の親父が数年前にちょっと他界しまして、そんときにあのー、うちの家にきて、“お線香あげさせてくれ”って言って、仏壇の前で手を合わせて、号泣した芸人は誰でしょう? A.浜田雅功、B.マサトシ・ハマーダ」

 というクイズを出題。これに対して、浜田は照れ臭そうに「オレ」と返答。これには松本も噴き出し「やっとポイント稼げたな!」と讃えた。続けての第2問「ウグイスの鳴き声は?」を出したが、ここでも選択肢は、

「A.ホーホケキョ B.(泣きまねしながら)おっちゃん、おっちゃん、ありがとうな…!」

 と、浜田が松本の父の逝去にあたっての状況を再現したもの。お互いが目を合わせて笑いあい、浜田もが頭を叩いて小声で「もうええわ」とボヤくも、2人の深い関係性が伝わってきた。

 最後の第3問は「ガガーリンが地球を見て言った言葉」として「なんで死んだんやおっちゃーん!!」とやはり手を合わせて泣いた話を繰り返す松本に浜田が、

「もーええわー!! ありがとざっしたー!!」

 と、松本の左肘を支えながら、胸を叩いてキッチリとツッコミ。ふたたび、EPOの『DOWN TOWN』が流れる中、2人が袖にはけて、31年ぶりの漫才は幕を閉じた。

「最後のクイズは、松本さんから浜田さんへの心からの感謝、ということですね。相方が、自分の父親の死に際して泣いてくれる。そんな関係にあるコンビはないでしょうね。

 ダウンタウンの2人は、10年に『リンカーン』(TBS系)の企画で、同じくNGKの吉本新喜劇に出演していますが、ここでも出番数秒前の舞台袖で、松本さんが浜田さんに小さな声で一言だけ耳打ち。浜田さんは前を向いたまま目も合わせず“OK”とつぶやいただけで舞台上に飛び出し、2人で息ピッタリに動き回って“キャイ~ンのポーズ”で締めたこともありました。

 今回の漫才にしても、一言だけのわずかな打ち合わせで30分、しかもどこに着地するのかも見えない中で漫才に仕立て上げていて、芸人たちがこぞって絶賛しているのがよくわかります。仲がいい悪いとか、絆とか、そういうのはもう超越した関係なんだな、と改めて感銘を受けたのではないでしょうか」

 かつて、「引退するときはコンビでNGKで漫才をして終わりたい」と話していた浜田。まだまだ、活躍を見ていたいー-。

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