■巨人の阿部慎之助新監督は「3000点」と満足顔も…

 その関西2球団からの覇権奪還を目指すのが、“盟主”巨人とソフトバンク。

 とりわけ、巨人の阿部慎之助新監督は、母校である中央大の後輩、西舘勇陽(21)をクジで引き当て、「3000点」と満足顔だったが、「西舘以外の支配下4人はいずれも大卒社会人。2位指名のホンダ鈴鹿の森田駿哉(26)は、岡本和真と同学年と、すぐの結果が求められる年齢でもある。V奪還が至上命令なのは分かりますが、超即戦力で固めたところに、焦りを感じましたね」(球界関係者)

■小久保裕紀新監督ソフトバンクも表向きは

 同じく“政権交代””で小久保裕紀新監督となったソフトバンクも、表向きは「満足な補強」と笑顔。

 確かに、高校生では断トツ評価の大阪桐蔭の前田悠伍(18)を“外れ1位”で射止めたのは収穫だが、「高1秋の快投と見比べると、ここ最近はプロ関係者の間でも“やや迫力に欠ける”“少し時間はかかる”と、厳しい見方も出ていた。一方のチームは、規定投球回クリアの投手がゼロと投手陣の再建が急務。“じっくり育てる”なんて悠長なことを言っている場合か、

疑問は残ります」(前同)

■中日ドラゴンズは迷走

 他方、迷走ぶりがことさら際立つ結果となったのが、球団初の2年連続最下位に沈んだ立浪中日だろう。

 外れ1位で“六人衆”亜大の草加勝(21)を指名したが、着手すべきは一も二もなく貧打線の改善のはず。2位、3位と続けざまに即戦力遊撃手という人選は不可解だ。

「同じ遊撃には、売り出し中の龍空(20)がいて、昨年も村松開人(22)、田中幹也(22)と大学生を獲っている。いったい、どんな将来像を描いているのか、さっぱり分かりません。

 同じ“勝負の3年目”という意味では、長年不在の正捕手候補を2位指名で確保した、日ハムの新庄剛志監督のほうが、よほどビジョンは明瞭ですよ」(前出のデスク)

 出そろった金の卵たち。ただ、ドラフト指名は、あくまでスタート。成功する保証など、どこにもないのがプロの世界の厳しさだ。

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