■能登半島地震で100万ドル寄付

 プレー以外の姿でも、人を惹きつける大谷だが、関西大の宮本勝浩名誉教授の試算では、大谷のドジャース移籍がもたらす経済効果は、後払い分を差し引いた今季だけで、なんと約533億5200万円に上るという。

 年明け早々の能登半島地震でも、ドジャース球団と共同で100万ドル(約1億4000万円)の寄付をいち早く表明するなど、“大谷マネー”への注目度はより一層増しつつある。

「5万円弱のドジャースユニフォームに1000件の予約が殺到するなど、“経済効果”はすでに発揮されています。移籍報道で各社の株価が軒並み上がったとされるスポンサーも、20社に届く勢い」(同)

■MLBの市場規模が拡大

 経済効果だけでなく、当人の生涯収入も億を超えた兆、文字通りの桁違いの額も見えてきているという。

「MLBの市場規模そのものが拡大の一途だからです。今年からカブスでプレーする今永昇太(30)は、昨季の年俸から約13倍の金額である約19億円で契約しました。日米球界の給与格差が如実ですが、スポーツ庁が公開する『未来開拓会議中間報告』によると、95年時点では、NPBは1531億円、MLBが1633億円と、ほぼ同じ市場規模だったのに」(経済紙記者)

 なぜ、ここまで差ができてしまったのか。

■WBCによりメジャーの放映権料うなぎ上り

「日本経済の停滞がその根幹でしょうが、WBCの創設が大きいとされています。日中韓、そして欧州を含む、海外市場の開拓が功を奏していて、メジャーの放映権料は国内外でうなぎ上りなんです」(前同)

 WBCの主役といえば… …大谷、その人だ。

「彼はWBCでその名を世界に知らしめて、台湾では伝記が発売され、カナダでは道徳の教材にもなった。今回の大型契約も、ドイツなど欧州各国でも驚きを持って報道されました。今季はドジャースが開幕戦を韓国で行いますが、今後、MLBは大谷を世界進出の切り札とするはず」(同)

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