『恐怖の心霊報告書』読者投稿17 廃屋の画像
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1人では来られない不気味度満点の廃屋

今から2年前、ぼくが21歳になった夏のことです。

夕食を食べ終わり自室で寛いでいると、普段からつるんでいるカズキとトモヤがやって来ました。こいつらとは10年以上の仲なので、うちの親とも打ち解けちゃっていて、
「こんばんは~、あがります」

と玄関でひと声かけて、僕の部屋まで勝手にやって来るのです。まあ、いいですけど。

ベッドで横になっていると、カズキが言いました。

「肝試しに行くぞ! ほらほら、早く支度しろよ」
「そうそう、行くよ!!」
トモヤが続けます。

肝試し!? どうやらカズキが会社の同僚から、心霊スポットを聞かされて、その気になってしまったらしいのです。

僕らが住む町は県境にあります。その心霊スポットは、川を渡った隣県にあるとのことで、さっそくトモヤの運転する車でそこに向かいました。

車中でカズキがその心霊スポットについて話します。
「なんでも一家惨殺事件が起こった建物だそうだ」

心霊スポットにありがちなパターンです。

そうこうして30分ほどで着いたのは1軒の空き家。まわりに住宅がまったくなく、この1軒だけがぽつんと建っています。

ひと目見ただけで長いこと人が住んでいないことがわかりました。懐中電灯で照らした木造平屋建ての外壁は、塗装ばかりか壁自体が剥がれかかっています。ところどころに張られたトタンも、すっかり錆びて赤茶色に変色していました。

とても1人では来られない不気味度満点の廃屋です。

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