インフルエンザでも薬は不要

近藤氏は、わが国の薬漬けの現状は世界的にも極めて特異だと語る。
「日本は世界一の長寿国と言われますが、"不健康寿命"も世界一です。平均寿命から、ボケず、介護にも世話にならずに健康で過ごせる"健康寿命"を引いた期間が世界一長い。これはつまり、薬漬け、治療漬けであることの証明ですよ」
そして、オランダやイギリスのケースを挙げる。
「向こうでは風邪で受診しても、医師は薬を出しません。インフルエンザでも、薬を飲まなければ1~2日で治る。私自身、この数十年、風邪やインフルエンザで診療を休んだことはありませんよ。熱が出るのは、体内の白血球がウイルスと戦っているからで、高熱でウイルスが死ぬんです。ところが、日本では薬で熱を下げようとする。すると、逆に長引いて、自己免疫力も衰えます。薬に依存する患者側にも問題があるんですね」(前同)

さらに、我々の命を守るはずの健康診断についても警告する。
「健康診断は、医師が患者を釣り上げるための"釣り堀"ですよ。"早期発見、早期治療"の名のもとに、人間ドックや会社の健康診断が行われていますが、これは健康な人を"異常な値が出た"と言って釣り上げ、治療漬けにするようなもの。釣り堀なら魚を池に戻しますが、健康診断で一度釣り上げられたら、死ぬまで薬漬け、治療漬けにされる可能性があるんです」

日本は男女の平均寿命の差が6歳以上ある。実は世界的に見て、これほど男女で寿命に差がある国はないという。
「男性が職場での健康診断を義務付けられているから寿命が短いのでは、と推測しています」(近藤氏)
そうなると我々には、どのような方策が残されているのだろうか?
「何より、よほど苦しくなければ病院に行かないことです。そうすれば、薬を処方されることもない。それから健康診断も受けない。職場などで、どうしても受けなくてはいけない場合、検査項目をなるべく減らしましょう。特に放射線を使う検査、レントゲンやCTスキャンなどは、発がんのリスクを高めるので止めることです」(近藤氏)
口に苦い、どころか「危険な薬」の数々……。最後は、我々自身が認識を改めるしかないようだ。

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