髪の再生は十分にありえる!

また、シャンプーは2度するのがコツ。1度目は皮脂の洗い流し、2度目は頭皮マッサージのためだ。

ところで、最近はシャンプーを使わず、ただお湯で洗う「湯シャン」なるものが一部で流行しているが、これは有効なのか?
「ケースバイケースでしょう。皮脂の多い方なら、シャンプーを使ったほうがいいでしょうし、皮脂が少ない方なら、シャンプーを使うことで適度な皮脂まで逆に洗い流してしまうかもしれないですから」(前出・日本毛髪科学協会の山口氏)

さて、読者の中には、パーマをかけたり、毛を染めている方もいることだろう。これらが髪の毛に与える影響はどうなのだろうか。
「どちらも髪を抜けやすくしますので、頻繁にはやらないほうがいいでしょうね。ただ、それだけが原因で薄毛にはならないでしょう。それに、髪が細くなっている人は、パーマをかけると逆に髪が多く見えるわけで、悪いことばかりだとは言えません」(板羽氏)

一方で、「喫煙者はハゲやすい」という説はよく耳にするところだが、
「タバコをたくさん吸うと毛細血管が弱るので、発毛を阻害し、脱毛の危険性は高まるでしょう。だからといって、禁煙すれば薄毛や脱毛が治るというものでもありませんね」(板羽氏)

とはいえ、読者の中には、もうすっかり男性型脱毛症が進行してしまい、「今さら小手先の対応なんかじゃ、どうにもならない」と諦めている人も少なくないはずだ。
ところが板羽氏は、驚くべき真実を教えてくれた。
「ケガなどで傷つけたりしていなければ、毛根は死んでいません。微小なうぶ毛は生えてきていて、見えないだけなんです。だから、髪の再生もありえます」

なんとも頼もしい話だが、ただし、
「髪の再生には、最低でも"ハゲ始めてから現在に至るまで"と同じくらい以上の期間を要しますので、ハゲ始めてからの放置期間が長い方は、厳しいかもしれません……」

高齢者は特に難しいようだ。そんな中、21世紀の現在は、ハゲに効く薬は発明されていないのだろうか。
前出の山口氏が語る。
「日本皮膚科学会ガイドラインによると男性型脱毛症には、薬局で販売もされている塗り薬のミノキシジルと、『プロペシア』と呼ばれる内服薬のフィナステリドが、効果があるとされています」

ミノキシジルは、『リアップ』という商品名で販売されており、実は本誌記者、どちらも試してみたものの、効果が感じられなかったのだが……。
「それは目に見えるほど発毛しなかっただけで、6か月以上使えば、脱毛を遅らせる効果はあるはずです。ただ、高齢になるほど効き目が落ちるようですので、早期の使用をお薦めします」

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