では次に、肩こりを予防するにはどうするのか? 再び、渡辺氏に予防体操を聞いた(図参照)。

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A ポイントを確認
イラストの●は肩甲骨と連結している鎖骨部分。

B 鎖骨の●部分をつまみながら、肩甲骨を回す
鎖骨の●部分を、肩と反対側の手(親指と人差し指)でつまみながら、肩(肩甲骨)をグルグル回す。

 この際、いきなり大きく回すのは、筋肉を痛めかねないので禁物だ。最初は小さく、徐々に大きくして前と後ろに各5回。一方の肩が終わったら、もう一方の肩も。これで1セット。肩こり予防体操も、気づいたときに、1日数セットやれば十分だという。

「腕が上がらなくなる四十肩、五十肩などは、肩甲骨を動かしていないことで起こります。動かさないことで周辺の筋肉が硬直し、血管を圧迫。血流が悪化し、末梢神経が傷つくことで起きるんですね。肩甲骨を動かすことで、この部分のこわばりをほぐす。それが肩こり予防となるわけです。また、鎖骨部分をつまむことで、より効果が上がります。肩を回す支点となる部分を、じかに圧迫することで、この部分のリンパ腺を刺激。より血流の流れが良くなり、コリがほぐれるんです」(渡辺氏) 肩甲骨がほぐれることで自然と胸を張れるようになり、猫背も解消。結果、腰痛予防にもなるという。

 続いて前出の平地氏に、日常生活での肩こり予防法を聞くと、腰痛と共通する部分が多いとか。そして、半身浴を推奨する。「40度程度のぬるめの湯に20~30分、心臓から下の水位で、ゆっくり浸かりましょう。全身で浸かると、長く入れないし、心臓に負担がかかりますから」

 半身浴には全身をリラックスさせる効果もあり、ストレス解消にも。ストレスが高じると違和感や痛みに過敏になるが、それを抑える効果もあるという。なお、予防法や緩和法として定番とも言えるマッサージだが、両氏ともに、「血行をよくする効果があるので、一時的に痛みが和らぐこともあります。でも、強く揉むと逆に筋肉をこわばらせ、より強い痛みを引き起こす恐れがあります」 皆さん、ご注意あれ!

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