■特に警戒すべき2大巨大地震

 特に、我々が警戒すべき地震――それは、やはり南海トラフ、そして首都直下型の2大巨大地震だろう。

 まず、今後30年以内の発生確率が最大80%といわれる南海トラフ地震だ。

「南海トラフ地震は、フィリピン海プレートが移動することで起こる可能性が高まります。このプレートは年に4.5センチほど移動していますから、地震が近づいていることは間違いありません」(前出の島村氏)

 この地震が恐ろしいのは、なんといっても被災範囲の広さだ。神奈川・静岡から九州南部までの地域が、震度5強以上の揺れに見舞われると想定されている(詳細は文末の図を参照)。

「被害想定地域が広範囲のため、死者32万人、経済被害は220兆円とも予想され、これは東日本大震災の10倍以上。震度7の地域も多く、日本が大きなダメージを受けるのは確実です」(気象庁関係者)

 では、“Xデー”はいつなのか。独自の理論で、阪神・淡路大震災や東日本大震災を予測したことで知られる琉球大学名誉教授・木村政昭氏(地震学・海洋地質学)は、このように語る。

「私が予想する“地震の目”の一つに、『宮崎県沖』があります。ここで地震が発生した場合、九州東沿岸部が津波で大被害を受けることは、まず間違いない。と同時に、ここは南海トラフの西端に位置していますから、この地震によって南海トラフ地震が誘発される可能性が高いんです」

 どの地域での地震がトリガーになるか分からないというわけだ。遠方の地震であっても、目を光らせておく必要がありそうだ。

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