■十勝沖M8を超える地震が!

 さて、実は南海トラフ、首都直下型以外にも大地震が予想される地域がある。ズバリ北海道だ。

「十勝沖ではマグニチュード(M)8.0から8.6規模の大地震が、その隣の根室沖でも同等の大地震の発生が予想されています。加えて、この2か所を合わせた巨大地震が、30年以内に80%という確率で起こると想定されているんです」(地元紙記者)

 注意すべきは、北海道を震源とする巨大地震発生可能性は、この他にもあるということだ。実はさらに、この2つの地域を含んだ「千島海溝」全体を震源とする、“超巨大地震”発生の可能性が指摘されているという。

「これは複数の震源予測域が、同時に誘発されて起こる地震です。発生確率こそ、30年以内に7〜40%と低めですが、いざ発生すれば、その範囲の広さもあり、甚大な被害が予想されます」(前出の気象庁関係者)

 2003年、十勝沖でM8.0の大地震が発生したが、それを超える巨大地震になるというから、十分に注意しておきたい。

 さて、我々が直面する大地震の脅威を再認識したとならば、次に考えたいのは「備え」だろう。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、このように語る。

「地震に対しての準備として“命を守る備え”“事前の情報収集”“二次災害への備え”などが挙げられます。今からできる対策と準備を、一つ一つ進めていくことが大切です」

 詳しい内容は表の“7か条”を参照してほしいが、ここに挙げた項目以外にも注意すべき点はあるという。

「地震による被害は、ほとんどが家屋内でのもの。だから、耐久性を高めた家に住むことが肝要です。自宅の耐震性を調べて、もし三十数年前の基準で建てられた旧耐震建築なら、耐震工事や引っ越しを考えてもよいと思います。もちろん、簡単にできることではありませんが、命を守るためには重要な観点です」(前同)

 正しい知識と準備を心がけ、大地震から命を守ろう。

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