■酒本来の味わいを感じる「常温ランキング」

 続いては「常温ランキング」。20〜25度の温度で飲むことで、口当たりが良く、酒本来の味わいを感じることができる飲み方だ。

 常温部門3位に選ばれたのは、長野県の『水尾』だ。

「日本酒好きの人が選ぶ辛口のお酒ですが、いい純米酒をカップ酒に瓶詰めしていて、お米の、ほんのりした甘さを感じることができます。キリッとした飲み口のため、男性のファンも多いですね」(藤生氏)

 2位は、酒好きにはおなじみの、兵庫県の『大関』がランクイン。

「ワンカップ大関で有名ですが、ぜひ試してほしいのが、上撰、佳撰、にごりの飲み比べです。この3つを飲むと、日本酒は造り方が違うと、こんなに味が違うんだと驚かれると思います。常温で飲むときは上撰と佳撰がオススメです。味はもちろん、値段もお手頃なのもいいですね。飲めばきっと、カップ酒を見直されると思いますよ」(北井氏)

 見事、常温でおいしいカップ酒の1位に輝いたのは、佐賀県の『万齢 唐津ひきやま 純米酒』。

 佐賀県と聞くと意外に思われるかもしれないが、「九州でも、佐賀県は日本酒の産地として知られています。万齢は、小松酒造という小さな酒蔵で造られています。味は甘味があってまろやか。口当たりもいいのでゴクゴクと飲めます。軽い飲み心地で食事との相性も良く、食中酒としても最適です」(藤生氏)

 常温でおいしい酒は、ワインと同様に「食事の味を引き立たせる」という特長がある。食事のお供に、ビールでなくカップ酒にするのも粋なセレクトだ。

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