■ソチと平昌の2つの金メダルを手に向かった先は…

 ただその後、「自分の演技で東北に元気になってもらえたら」との思いを胸に、再び前を向いてリンクに立てるようになる。

「2018年7月には、ソチと平昌の2つの金メダルを手に、かつて原発事故で全住民が避難を余儀なくされていた福島県楢葉町を訪れたこともありました。そこで羽生は、以前、仮設住宅で出会った人々との再会を果たします。羽生は2つのメダルを住民たちに手渡し、『皆さんの力を固めた金メダルが、また皆さんに還元されて皆さんが幸せになってくれたかなって』と語っていたことが、著書には記されています」(前出のテレビ局関係者)

 獲得した金メダルすら、自分だけのものではなく、応援してくれたみんなの物。そんな彼の思いが伝わってくるようだ。

「そんな羽生に起こった大きな心境の変化は、ある意味“彼らしくない”ものなのかもしれません。ただ、おそらく羽生のスケート人生の集大成になるであろう今大会だけは、誰のためでもない、自分のための大会に、との強い思いを持たなければ、これまでのような勝利へのモチベーションを保てなかったのかもしれません」(前同)

 男子ショートプログラムは2月8日に行われ、羽生は日本時間13時19分に登場予定だ。まだ誰も見たことのない新たな歴史の幕開けとなるだろうか……。

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