■「(キモキャラで)やっとテレビで動けるって思ったのよ」

 この分析に田中は「そういうこと言ってくるの、野田とバカリズムだけ」と答えながらも、

「でもね、俺らとしては“キモい”っていじられ始めたときに、やっとテレビで動けるって思ったのよ。誰かにこういくのも、キモいコメント大喜利みたいな感じでイケちゃう」

 と、そのときの真意を語った。

「野田がファンや後輩からネタで勝負してと言われなかったのか、という質問をしても、まずテレビ業界で生き残らなければいけなかったから、それどころじゃない、という出る側にしかわからない心情の話をしていました」(制作会社関係者)

 キモキャラがウケたのはテレビに出始めて3、4年目くらいの時期の出来事だったため、

「一番底みたいなときに、一個起死回生の……それがないともう、今(業界に)いないだろうなって感じはするけどね」

 と、しみじみ語っていた。

 ちなみに、スタジオでVTRを見ていたバカリズムも「ジャンガジャンガばっかりフューチャーされるけどあのネタ自体はものすごい発明」と称賛し、それだけに「キモいに行ってほしくなかった」と、田中について語っていた。

「惜しむらくは、田中が1月22日にコロナウイルスに感染して収録に参加できなかったのか、スタジオ収録には不在だったことですね。世間どころか芸人らもブレイク当時の苦悩を知らなかったらしくスタジオでみんな驚いていただけに、スタジオでも多くを語って欲しかったです」(前出の専門誌記者)

 スタジオで「リスペクトしちゃうからイジる気になれない」と田中を称賛していた野田クリスタル。「下積みが長くてキツかった男」と「売れるのが早すぎてキツかった男」同士の対談は、大成功だったーー。

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