■「味を大切に」を合言葉

 津多屋のサイトを見ると、冒頭の「ご挨拶」にはこうある。

〈昭和47年創業!!ドリフターズさんの「8時ダヨ!全員集合」からロケ弁を作り始め、おかげ様でお客様の口コミだけで営業してまいりました。 「味を大切に」を合言葉として食材に拘り、仕入れを吟味し、仕込みを丁寧に手作り品に力を入れ、お客様と笑顔でご挨拶が出来るように心がけております〉

 まさに「看板に偽りなし」で、津多屋は理想の和食弁当を提供する。しかも、高級料亭のそれではなく、あくまで家庭の味を追求。ハム・ソーセージ製造の「ローマイヤ」の営業職だった現社長の父が脱サラをして創業し、店名は石川県金沢市で加賀友禅の染め物師をしていた父の屋号から取っている。当初はほぼ家族経営で1日100食ほど作っていたが、ガスや水道代も払えないくらい大変な時期もあったという。会社員時代のコネで銀座の百貨店などに弁当を置いていたとか。

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