■“ロケ弁”の代表格

 ところが、配達車のドアに書かれた電話番号が『8時だョ!全員集合』の制作スタッフのお偉方の目に留まり、問い合わせに応じてサンプルを持参したら、「この味ならお願いできる」と即決。

 番組は毎回生の公開放送だったが、関東近県で行われる際には毎回150食納入したという。他の弁当屋と違い、津多屋はいつも同じのり弁でも「おかずが2品とか3品少しずつ変えていたり、旬の食材を使った炊き込みご飯だったり、バリエーションが豊富だった」のが継続して選ばれた理由だった。

 これををきっかけに様々なテレビ局に出入りする番組制作会社のスタッフ間で評判となり、津多屋はエンタメ業界の“ロケ弁”の代表格として定着。番組単位だと、TBSの『オールスター感謝祭』『マツコの知らない世界』、テレビ朝日『ミュージックステーション』『ビートたけしのTVタックル』『タモリ倶楽部』、フジテレビ『SMAP×SMAP』『とんねるずのみなさんのおかげです』『ダウンタウンのごっつええ感じ』などに納品。石原プロの催しからも大量に受注していたようだ。

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