■テレ東ドラマが成功できた理由は「パッケージ」のうまさ

 当時から主演の松重豊(59)はバイプレイヤーとして数多くの作品に出演し続けていたが、『孤独のグルメ』起用前は「コワモテの刑事」や「ヤクザ」として画面の端にいる印象が強く、メイン級のキャラを演じることは少なかった。17年の4月6日放送のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)で松重自身、当初は「プロフィールの汚点になる」と考えていたことを明かしている。

「ところが、フタを開けてみれば『孤独のグルメ』は社会現象となり、現在まで続く人気作に。今回の深夜ドラマの増強にも、間違いなく影響を及ぼしています。

 ちなみに、15年の『東スポWeb』によると、実は当初フジテレビに企画を申し込んだところ幹部が“面白くない”と一蹴され、テレ東にお鉢が回ってきたといいます。10年モノのコンテンツを、フジテレビは逃してしまったんですね……」(前出の専門誌記者)

 テレ東ドラマの面白さについて、多い時は週に37本ものドラマを鑑賞するドラマウォッチャーのナイツ塙宣之(43)は12月29日に『日刊大衆』のインタビューでこう分析している。

「テレビ東京のドラマって24分くらいしかないんですけど、パッケージを作るのが巧くて上手だなって思います。『スナック キズツキ』や『孤独のグルメ』もそうですけど、1個設定を決めたらそうするのがすごく上手で」

「たぶん、予算がないからオールロケみたいになるんですけど、観てる人からすると中途半端に安いセットを組まれてセット感があるより、ロケの方が奥行きがあって見やすいじゃないですか。それが功を奏してテレ東ドラマはいいのかもしれません。

 けっこうロケばっかりなんですよね、テレ東の深夜ドラマ。あまりセットが出てこないのが、いいのかもと思ってます」

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