■物語テーマの英語が鍵になる

 もしトミーがアメリカでも活動しているとすれば、そこで必要になるのが通訳だ。安子は戦後、早い段階で米国に渡っているが、生きていくため、ラジオ講座で身につけた英語力を活かして通訳となっている可能性は高い。トミーが渡米した際に、安子が通訳としてつき、そこでつながりができているのかもしれないのだ。

 しかし、トミーが渡米したと思われる1970年代~80年代は、さすがに日本人通訳の数も増えていただろうし、その中から高齢となっているであろう安子が、通訳として選ばれるとは考えにくい。では誰が? ここで気になるのが、ひなた(川栄李奈)が少女時代に映画村で出会い、すぐにアメリカへ帰ってしまった忍者好きの美少年のビリー(幸本澄樹/10)だ。

 ビリーは登場した当初から、安子の息子かもしれない、という声がファンから多くあがっていた。もしそうであれば、忍者好きという日本びいきに育ったビリーが、安子と同じく通訳という職業を選んだとしても不思議はない。安子の代わりにビリーが、日本のミュージシャン、トミーの通訳についていたという流れが考えれるのである。るいは安子を探す手がかりをトミーに相談し、トミーはビリーを紹介する。そのビリーがひなたと出会っていたことが分かり、さらに安子の息子だったことが判明し……というラストが予想されるのだ。

 ビリーは、ほんの数話の登場だったにもかかわらず、公式サイトの登場人物ページに他のキャストと一緒に載り続けている。それだけ、ビリーは重要な役どころであるということなのだろう。また、大人になったビリーはナレーションを務める城田優(36)が演じるという噂もある。それも含め、安子の感動的な再登場に期待しよう。(板橋六郎)

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