■住んでいる場所が危険かどうかチェック

 地震はいつ発生するか分からないが、自分が住んでいる場所が、被災時に危険かどうかはすぐにでもチェックしていただきたい。

「海岸や大きな川に近い立地、崖地の下は増水や土砂など危険が多い。さらに古い木造住宅、中でも瓦を使った屋根を持つ場合も要注意です。地震の揺れから来る慣性の力で、瓦はそこに留まり続けようとし、棟がその力に耐えきれず、倒壊の危険があります」(島村氏)

 最後に島村氏は、こうも警告する。

「日本列島近くの太平洋プレートは8.5センチ、フィリピン海プレートは4.5センチ、1年間に動いており、年々巨大な地震が起きる確率が高まっていることだけは確かです。地震の巣である我が国では今、どこで起きてもおかしくないのです」

 これを機に、地震対策を真剣に考えたい。

■死なない備えと被災後の行動

 では、突然の大地震に見舞われたとき、我々はどうすればいいのか。備え・防災アドバイザーの高荷智也氏の協力のもと、巨大地震で死なないための“備えと心得10か条”を紹介する。

 まずは、すぐにできること。それは情報収集だ。

「国土交通省『ハザードマップポータルサイト』の“重ねるハザードマップ”をチェックしましょう。津波・高潮・洪水・土砂災害の被災エリアがすべて把握できます」(高荷氏=以下同)

 特に注目したいのは津波だ。震源域が陸地に近いほど、津波到達時間が短くなり、避難が難しくなる。

「マップには、津波によってどのくらい浸水するのかが分かりやすく色分けで記載されています。必ずチェックしましょう」

 自宅の地理的状況を確認したら、次に、家屋の中の安全対策をしよう。

「まずは転倒によって圧死を招く家具の固定をしましょう。ねじで固定できる“L字金具”や家電にも使用できる“粘着テープ”がオススメです」

 食器棚など、物自体は固定できても、中身が飛び出す危険のあるものは扉を固定し、落下予防が必須だ。

「ふだん使いで邪魔になるような方法は長続きしませんから、揺れた際に自動でドアをロックしてくれる“耐震ラッチ”が便利です」

 その他、滞在時間が長い寝室やリビングの窓ガラスに、“飛散防止フィルム”を貼ることもお忘れなく。

 また、地震によって起こる火災への備えも重要だ。

「理想は消火器の設置ですが、1000円前後で用意できる“消火スプレー”でも初期火災は防げます。火災報知機がない場合、設置したほうがいいでしょう」

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