■『カムカム』半年間の大感動ポイント5つを振り返り!

  深津が演じたのは2代目ヒロイン・るい。4月5日放送の第109話では、森山良子(74)演じるハリウッド映画のキャスティングディレクター、アニー・ヒラカワがラジオで自身の過去を語り、自分は初代ヒロイン・安子だと明かすシーンがあった。

「るいは約5分間、ずっと無言でアニーの声に耳を傾けていました。このシーンで深津は、しゃべっているアニーが自分の母・安子であると気付く瞬間や、あふれ出る思いを、顔の表情だけで表現するという“神演技”をみせたんです。まったくセリフがないのに、るいが何を考えているかがとても伝わってく。視聴者も感情を揺さぶられる、本当に凄い演技でしたね。

 しかも、そのシーンはなんと一発撮りだったそうです。制作統括の堀之内礼二郎氏や演出の安達もじり氏も、深津の演技を絶賛していました」(前出のテレビ誌ライター)

 視聴者からは、「自分の中の記憶と今聞こえている声とを再構築していく数分、表情だけでその凄まじい過程を見せる圧巻の深津絵里さん。朝から凄い演技見た」「るいがお母さんの顔から、急にお母さん恋しい娘に変化する。はあ〜凄い名シーン」といった絶賛の声がSNSに寄せられていた。

 3月15日放送の第94回で、濱田岳(33)演じる橘算太が振付師として映画村に現れ、京都の商店街で過去を回想しながら踊りだすシーンでは、実年齢33歳ながら70代のキャラクターを違和感なく演じきった濱田に賞賛の声が集まった。

「濱田の演技は、お年寄りの身体の動きを見事に表現していて、彼が俳優として引っ張りだこである理由がよく分かるものでした。

 名シーン、名演技が多くあった今回の『カムカム』ですが、上白石演じる安子の父・橘金太を演じた甲本雅裕(56)の熱演も素晴らしかった。11月24日放送の第18話で、玉音放送を聞いた金太は西田尚美(52)演じる妻・小しずと鷲尾真知子(72)演じる母のひさが亡くなった空襲を思い出し、布団の上で慟哭するんですが、見ているこちらももらい泣き。朝からすごかったです……」(前同)

 それ以外にも、市川実日子(43)演じる野田一子(ベリー)や早乙女太一(30)演じるトミー北沢、るいがお世話になった竹村クリーニング店を経営する夫婦を演じた濱田マリ(53)と村田雄浩(62)、映画村の大部屋俳優・伴虚無蔵を演じた松重豊(59)など、脇を固める俳優の抜群の演技力、存在感も同ドラマを彩ってきた。

 4月8日の最終回も怒涛の勢いで行なわれたのだが、同ドラマは“伏線回収”という点でも大きな注目を集めた。SixTONES松村北斗(27)演じる安子の夫・雉真稔の夢は、家業の雉真繊維の製品を海外に輸出することで、そのために英語を学んでいることなどが語られていたが、

「川栄演じる3代目ヒロイン・ひなたが勤務する映画村でハリウッド映画『サムライベースボール』の撮影がされることになり、3月31日放送の第106話で、俳優陣が着る足袋に雉真繊維の製品が採用されたんです。“稔さんの夢が叶った!”と、視聴者は見事な伏線回収に大感動でした」(前同)

 SNS上には、「『いつか雉真の製品を欧米と取り引きできるようにしたい』という稔さんの夢まで叶えてくれる脚本…優しすぎて泣くしかない」「稔の夢がいろんなところに広がって叶ってる。皆誰かの想いを継いで誰かの夢を叶えてるのかもしれない」といった感動の声が寄せられている。

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