■大感動の一方で……視聴者“猛ツッコミ”ポイント5選!

「ただ、こういった感動シーンが山ほどあった一方で、視聴者が思わず“猛ツッコミ”を入れてしまう場面もありましたよね」(前出のテレビ誌ライター)

 4月6日放送の第109話では、川栄演じるひなたが、クリスマスパーティーの会場近くにいた森山良子演じるアニー・ヒラカワこと安子に声をかけた。しかし、安子は走って逃げだしてしまう。

「放送を見ていたときから、“よくこんなに走るな”と感じていましたが、本当にかなり長い距離を走っていたようで、周りの風景からして5キロは走っていた、という視聴者の考察が放送直後の『あさイチ』に寄せられてしまいました。作中では安子は78歳。さすがに5キロの全力疾走はありえないでしょう。しかも孫の川栄演じるひなたを置き去りにする、とんでもない激走でした」(前同)

  この「78歳の大激走」には、視聴者もかなり納得がいかなかったようで、SNS上には「5キロの爆走はホントにおかしいよ」「あまりの健脚ぶりに笑ってしまった」「ホノルルマラソンとか完走してるんじゃないのか」といったツッコミが多数入ってしまった。

 また、深津が演じたるいは、3月24日放送の第101回でオダギリジョー(46)演じる夫のジョーと渡米中、酔った勢いでステージに上がり、『On the Sunny Side of the Street』を歌う。その後、第109話のクリスマスパーティーでもるいがジョーの妻としてステージでその曲を歌うことになるのだが、このるいの歌へのツッコミが入っているのだ。

 視聴者からは、「そもそも素人のるいがなんでステージで歌うねん」「素人のるいは普通なら前座だよね? まさかのトリ?」といった意見が飛んでいる。

「これに関しては、演じる深津の歌があまりに上手く、説得力があったので納得する視聴者もいましたが、今まで一切歌ってこなかったるいが、有料のパーティーで、トリとして歌うことに違和感を抱く視聴者も多かったようです。

 それ以外にも、アニー・ヒラカワこと安子が“日系アメリカ人2世”と経歴詐称、日本語が話せないふりをしていたことなどの設定をかなぐり捨て、ラジオで5分以上自分の話をし続けたことにも、“放送事故”、“現実ならショーンKクラスのゴシップネタ”だといった意見が飛んでいましたね」(同)

 また、安子編については、放送期間8週間で上白石演じる安子が3回も失神したことについて、「ちょ、、安子、失神しすぎや」「こんな稔さん、おはぎ買いに来たら安子ちゃん失神するよ?」「安子がたった数日の捜索で失神するほど虚弱体質だったとは思えない」と、安子の“即失神体質”への猛ツッコミも入っている。

「ただ、この事あるごとに安子が失神するのは、森山演じる晩年の安子が走り続けた後に失神することで伏線を回収された、とも言えそうです(笑)。

 また見事な伏線回収が話題となった『カムカム』ですが、安子がどうやってハリウッド映画のキャスティングディレクターになったのかということや、キャスティングディレクターになったひなたが京都だけでなく東京にも拠点がある、といったところは回収はされませんでした。描くほどではないということなのか、もしかしたら今後、スピンオフなどで描かれるのか、気になるところですが、多少、不満の残るところでしたね。

 やはり通常の放送期間で3世代を描くということで、『カムカム』はこれまでの朝ドラに比べてものすごいスピード感だだった。そのために“強引”とも感じられるところが生じてしまったのでしょうね」(同)

 2021年11月から半年間、3世代のヒロインがつないでいく100年を描くという前例のないドラマで、SNSとメディアを賑わせてきた『カムカム』。感動も、ツッコミどころも多々あったものの、沢山の人の心を動かしたことには間違いない。

 上白石萌音、深津恵理、川栄李奈の3人のヒロインには心から拍手を送りたい。

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