■「長いモノに巻かれてやり過ごす時代は終わった」

 この日の出来事を鈴木は「人前で語る事はないと思っていた」が、一連の「性被害」の報道を見て、あのときA監督とその映画に対して本能的に《この男はただただ女を消費するんだ》《どうしようもなく嫌な男》と感じていて、それがA監督とプロデューサーにも伝わっていたんだろうと推測していた。

 そして、かつての業界は「沈黙」が身も守るという暗黙のルールだったが、

《でもこれからは違う。泣き寝入りしてはいけない。事務所も見て見ないふりはしてはいけない。絶対に役者を守らなくてはならない。長いモノに巻かれてやり過ごす時代は終わった。一過性のニュースにしないためにも、そうした業界に蔓延る腐敗に気づいた我々が、この腐った世界を変えてゆかなくてはならないという意識が必要だ》

 と、メッセージを送っていた。

 また、「あえて枕営業をする女性」もいることについても言及し、

《たったいっ時の役をもらうために奴らの誘いに乗り、身体を与えることは奴らを増長させる原因しかならない。そして自らが安上がりに簡単に搾取され、馬鹿にされ続けている事に早く気付いて欲しい。もっと自分を大切にして欲しい。もしそんな状況に陥りそうな時、ワタシのおっかない顔でも思い浮かべてください。別にワタシの顔じゃなくっていいが、ソレをして本気で怒る人の顔、とっても悲しむ人の顔、あなたに対して真剣な人の顔を思い浮かべてみて欲しい。そう、一瞬でも考えることができたらあなたはソレをしないはずだ。》

 と、《説教めいたことを書いてしまった》と言いつつも、補足で言及していた。

 4月12日には山内マリコ氏ら女性作家18名が原作者の立場から「映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」という声明を発表し、まだまだ問題は根深い一連の騒動。

 業界の健全化が待たれる……。

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