■『特捜9』のコア視聴率は『上田と女が吠える夜』の半分……

 テレビ朝日は『相棒』や『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』など、シニア向けのドラマが多いと言われており、テレビ各局が重視している13~49歳のコア視聴率が取れないことが、課題として指摘されている。

「テレ朝も今、急速にコアシフトに切り替えています。そして、若手ジャニーズの起用は“コア視聴率を取りにいく”というテレ朝サイドの狙いが明白ですよね。ただ、『特捜9』の初回の世帯視聴率は12.4%と高いですが、肝心のコア視聴率は2.4%と厳しい結果になっている。

 同時間帯のくりぃむしちゅーの上田晋也さんMCの『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)は、世帯7.1%でしたが、コアは4.4%と『特捜9』の2倍近く取っている。たしかに『特捜9』は世帯が好調ですが、今やテレビ界では、そこは評価されるポイントではないんですよね」(前出の制作会社関係者)

 テレビ各局では、コア視聴率が判断基準になっており、その数字が低いと単価の高い広告は入ってこないという。

「テレ朝もそのコアを狙って、『特捜9』にジャニーズタレントを次々と起用していっているのでしょうが、現状は奏功しているとは言い難い。一方、ジャニーズの若手を投入したこととで『9係』からのファンからは強い不満が出て、ドラマを離れる人もいる。加えて、新たに狙っている層にも刺さっていない――現状では、『特捜9』はさまざまなものを失って、得るものは何もないという状況なのかもしれません」(前同)

『特捜9』は古参のドラマファンを切り捨て、ジャニーズタレントを大量投入し、「コア視聴率上昇作戦」を今後も続けていくのだろうか――。

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