■2つのセンスあふれる翻訳が紹介された

「その後、翻訳の実例として、番組では天竺鼠川原克己さん(42)の“眠た~い”、COWCOWの“あたりまえ体操”の2種類を実際に英訳して紹介していましたが、ここも非常に盛り上がりました。

 英語で話すチャドさんの声は日本語の時より響く重低音ボイスになっていて、まるで英会話の教材のようだったのも、盛り上がりに拍車をかけましたね」(前出の翻訳家)

 まず、川原の「眠た~い」は直訳だと「I’m sleepy」だが、チャドは「Go to bed with me(一緒にベッドインしましょう)」とアメリカンジョーク風に意訳。「単発のボケは、ちゃんとウケやすいように、分かりやすいボケにしました」ということだ。

 そして、「あたりまえ体操」「No surprise exercize」と、語尾の“‐ize”で韻を踏む形に翻訳。これはチャドも「我ながらすごいところ行ったな」と自画自賛しており、「“当たり前やん”と同じように自然と心の中で浮かび上がるワードにしたかった」と明かしている。

 残念ながら他の翻訳業が多忙すぎて納品できていないこと、コロナ禍で海外に出張しづらい情勢のため、本格的な「COWCOW海外プロジェクト」が日の目を見るのはもう少し先になりそうだ。

 余談になるが松本人志(58)が手掛けた映画『R100』については13年に『マイナビ』インタビューにて、

「翻訳をした僕だけが感じられることかもしれないんですが、ほんまに松本監督はすごいなと。1語1語が翻訳しやすくて、伝わりやすいということは本質的な"笑い"を突いているんです」

 と、評価していた。

 思わぬ視点から分析された日本のお笑い。ミルクボーイは「コーンフレーク漫才」に戻した方がいいかも!?

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