■賞味期限3年のサバ缶を買う
すでに食糧輸出国では自国民の食料確保を優先し、原材料の輸出を停止。さらに、中央アジアのタジキスタンではエモマリ・ラフモン大統領が、「少なくとも2年間分の食糧を備蓄するよう」にと、全国民に呼び掛けているのだ。
「日本でも、各家庭が非常用の食糧を備蓄する必要が出てくるかもしれません」(杉村氏)
すでに紹介した、値上げも予想される即席めん・パスタ類・お茶漬け海苔・米・は、食糧危機に対して備蓄しておくべき食料品でもある。次ページの一覧表にも「備蓄品リスト」を掲載したが、他にはどんなものを買っておくべきなのか。
代表は缶詰だろう。中でも用途の広いサバ缶は重宝されているが、前出の丸山氏が、こうアドバイスする。
「実は、魚介類も今後、値上げの可能性のある品目の一つなんです。サバ缶は3年くらいの賞味期限があるので、備蓄のため、今のうちに買っておくのがいいでしょう」
食糧を備蓄しようとして、買いすぎて腐らせてしまったら元も子もない。そこで重要になるのが、ローリングストックという考え方。
「備蓄品は賞味期限を勘案しながら買っておくのがコツ。ラーメン(即席めん)は半年から1年。期限を目安に備蓄する量を考え、期限が迫ったら家庭で無駄なく消費し、また改めて備蓄するという考え方です。こうすれば無駄なく備蓄することができます」(前同)
食糧危機ともなれば、もはや災害レベル。そこで農林水産省のHPに、非常時に備えるための食料品がリストアップされているので、参考にしてみよう。
いくつか拾うと、豆腐の缶詰版と言える充填豆腐や、常温保存が可能なロングライフ牛乳、意外に貴重なカロリー源となる氷糖などがある。
「加工品を除き、肉や魚は保存が利かず、備蓄に適していませんが、野菜は別。日常の食事で使う野菜の他、日持ちのする野菜を一定量備蓄しておくべきです」(農林水産省関係者)
日持ちのする野菜は、じゃがいも(冷蔵庫で半年)、かぼちゃ(常温の冷暗所で3か月)、タマネギ(同2か月)、白菜(冷蔵庫で2か月)、ごぼう(野菜室で2か月)、ピーマン(同3週間)などなど。
すでに始まった物価高に加え、食糧難が襲う。備えあれば憂いなしの精神で、きたるべき危機に備えておこう。