■「志村さんは、“俺のことを分かってくれる唯一のやつ”って言ってたよね」

(週刊大衆2020年8月24日号より)

寺門 (志村さんと)一番飲んだのは(上島)竜ちゃん。もう同志でしたよね。志村さんは、「俺のことを分かってくれる唯一のやつ」って言ってたよね。

上島 いやいや。でも、出会った頃の志村さんは40代で、僕も若かったから、いつも朝まで飲んでました。そのままテレビに出ることもあったから、今思えば、酒臭くて腹を立てたスタッフもいたんだろうなあ。

寺門 いたよ、絶対(笑)。

上島 それでもホント、楽しかった。おいしいものを食べさせてもらったし、高級クラブに連れてってもらったし。ただ、それ以上に、「俺は今、あの志村けんと差し向かいで飲んでるんだ」と思うだけで、もうたまらなかった。

渡辺  分かる。俺も昔、志村さんと飲んだから。

寺門  どんな感じでした?

渡辺  う〜ん、酔ったことしか覚えてない(笑)。ダチョウと飲んでるときは、どんな話をしてたの?

寺門  志村さんは、ほとんど芸のことでしたね。

上島  そう。だから僕なんて怒られてばっかり。たとえば、「今日のお前の役は加藤(茶)さんも演じたんだ。あの場面で加藤さんはこうやったけど、お前は何もしなかったよな!」とか。いつも言われていました。

寺門  その点、肥後はまったく怒られなかった。

肥後  そうだったね。

上島  志村さんは、いろいろボケたいんですよ。そのためには的確なツッコミが必要なんだけど、肥後はそれができたんです。

渡辺  肥後はほんわかしてて、ガツンと行くタイプじゃないし、そこがまた合ったんだろうね。

上島  ですね。ある晩、志村さんと2人で飲んでたとき、志村さんがふんするおばあちゃんキャラ“ひとみ婆さん”に対する肥後のツッコミを褒めてくれたことがあったんです。僕も「さすがでしょ、うちのリーダーは!」とか言いながら、ずっと褒め続けた。そしたら志村さんの表情がどんどん変わって、しまいには怒鳴られましたよ。「ひとみ婆さんのネタは俺が面白いんだよ!」って(笑)。

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