■MVPは惨劇のきっかけとなったあの人物

 MVPとしては、まず佐藤浩市(61)が挙げられるという。

 佐藤が演じていたのは、上総の豪族である上総広常。ドラマのテーマを語るうえで、非常に重要なキャラクターだという。

「結局のところ『鎌倉殿の13人』は最初から最後まで“身内の殺し合い”の話です。第15回で広常が殺されることで “こんな凄惨なことがこれから起きる”というキッカケを絶妙に演じてくれた。佐藤さんが出るだけで画面が締まる、という部分も大きかったですね」

 義時の親友的ポジション三浦義村を演じ、『シン・ウルトラマン』でもあらためて注目される山本耕史(45)も、素晴らしかったという。

「いろいろな登場人物がいて、それぞれ立ち位置をハッキリさせないとごちゃごちゃして仕方がない。そういう意味で、義時と長い付き合いで、時に助けつつ冷たく当たりつつ、みたいな難しい微妙な関係をうまく表現できていたと思います」

 そんな『鎌倉殿の13人』だが《ラスボス “北条義時”小栗旬の最後の大きな壁》という紹介で、歌舞伎俳優の尾上松也(37)が後鳥羽上皇役で出演することが告知されている。

 しかし、実際のラスボスは違うのではないか、という。

「後鳥羽上皇はエピソード的には大きな存在ですが、実はテーマ的に本筋には絡まないのではないか、とも考えられます。坂東彌十郎さん(66)が演じる、義時と政子の実父で、源頼朝の義父・北条時政が本当のラスボスだと思います。彼も個人的にMVPですね」

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