■「みんないい席で見たいから高いお金を払ってるんだよ」

 確かに、ステージプランを設計していくにあたり、多少の変更が生じることは良くあることだが、ここまで大幅な変更となると、いくらファンでも憤りを感じるも仕方がない。

 運営事務局はウェブサイトにて、「当初公開していた座席図イメージについては『ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合』があることをあらかじめ告知させていただいておりました」と前置きした上で謝罪。しかし、返金対応等は無かった。

 ファンからは、「ラルクの座席変更の件は少なくともエリアが変わった人達に対して差額の返金があるべきだよね…というか海外なら普通に訴訟案件だと思う」、「みんないい席で見たいから高いお金を払ってるんだよ。その分ちゃんと区別してくれないと納得できないわ」、「この商法が許されるのはおかしい。完全に詐欺なのでは。消費者庁とかに通告した方がいいように思う」と、辛辣な声が大噴出。

「もちろん、メンバーも運営側もファンの気持を考えなかったわけではないと思いますよ。恐らく、初回の座席イメージを公開してから、ライブ直前までライブの世界観や演出が完成しなかった。それくらい、ステージを突き詰めていたんでしょうね。30周年という大事なライブですし、メンバーそれぞれの個性やこだわりが強いので、調整に難航したことが容易に想像できます……(苦笑)。ただ、事情はどうであれ、金額で座席を割り振っている以上は誠意的に対応すべきだった。結果的に、バンドのイメージ悪化に繋がってしまいますね」(イベント制作会社関係者)

 “こだわり”と“ワガママ”は紙一重。例え、スタッフや関係者が冷や汗をかくことになろうとも、それを貫き通せるのは、大物アーティストならではの特権かもしれない。

 そんなスタッフ泣かせのアーティストの代表が、X JAPANのYOSHIKI(56)。昔から遅刻やドタキャンの常習犯として有名だが、特にヤラカしてしまったのが、2008年3月に東京ドームで開催されたX JAPAN復活ライブ。予定の開演時間より2時間も遅れ、ようやく始まったかと思えば、13曲演奏するはずが、8曲目にYOSHIKIが失神したところで終了。当然ながら、会場からは大ブーイングが起こった。

「YOSHIKIさんの遅刻はいつものことでしたが、あの時は、機材トラブルが重なってしまった上に、予定の開演時間直前になって、YOSHIKIさんが突然探し物を始めたんです。よほど、大事な物だったんでしょうね。スタッフ総出で探したのですが見つからず……。イベンターとしては、正直焦りましたね(苦笑)。

 YOSHIKIさんは、繊細かつ完璧主義者なので、何か気になることがあると、それしか見えなくなってしまうところがあって……(汗)。でも、そんな彼だからこそ、素晴らしい楽曲を生みだし、一時代を築き上げて、今もなお、ファンから愛されているんでしょうね」(前同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4