■『スッキリ』はHuluへ“視聴者を流す”役割を担っている

 午前9時台の『スッキリ』はエンタメコーナーを中心に放送。2020年には日韓合同のグローバル・オーディションプロジェクト「Nizi Project」を番組で特集し、NiziUのデビューへの道を追いかけ、ブレイクを後押ししたことも記憶に新しい。

「『Nizi Project』は日本テレビの子会社であるHuluで配信されていましたが、『スッキリ』で企画を知った人がHuluに新たに加入するなど、番組は放送外収入獲得にも貢献していたわけです」(前出の制作会社関係者)

 2021年4月からは、AAAのメンバー・日高光啓(SKY-HI、35)によるボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」がスタート。7人のメンバーが選出され、同年8月に「BE:FIRST」としてプレデビュー曲をリリース。同11月にデビューシングルをリリースして正式にデビューを果たした。

 オーディションの模様は『スッキリ』で定期的に取り上げられた。さらに、Huluでも『THE FIRST-BMSG Audition 2021-』として『スッキリ』で放送しきれなかった部分も含め“完全版”として配信された。

 プレデビュー曲『Shining One』は「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング」と「オリコン週間ストリーミングランキング」の2部門で同時1位を獲得。デビューシングル『Gifted.』も「Billboard JAPAN」の総合ソング・チャート「JAPAN HOT 100」で総合首位を獲得した。

「『スッキリ』で盛り上げる――というNiziUの成功モデルを踏襲し、BE:FIRSTもブレイクを果たしました。4月2日からはBE:FIRSTの冠番組『BE:FIRST TV』がスタートするなど、日テレは彼らとガッチリ組んでいることもうかがえますよね。

 つまり、『スッキリ』の9時台は日テレの利益にも大きく貢献しているわけです。一方で、“今や『スッキリ』の9時台は会社のためだけに放送している”と揶揄する声もあります。ただやはり、NiziUとBE:FIRSTは大人気ですし、Huluに視聴者を流すという役割も担っていますから、そうしたところが高く評価され、秋以降の継続も決まったのでは、と見られていますね」(前同)

 フジテレビにも噛みついた“狂犬復活”の裏に『スッキリ』9時台の巧みな“ビジネス放送”があったということか。秋以降も継続されるという加藤浩次MCの『スッキリ』と日本テレビは、新たなオーディション企画を準備しているのかもしれない――。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4