■一発で「バカ」とわかるアドリブ台詞を出す

「そして『ビルド』では、科学者(木山廉彬)を殺害した冤罪で服役中だったのを脱獄した元格闘家の青年で、のちに“仮面ライダークローズ”に変身する万丈龍我(ばんじょう・りゅうが)を演じました。

『アマゾンズ』が歴代でも群を抜いてえげつない世界観だったこと、『ビルド』も日本が“スカイウォール”という謎の壁で“東都・北都・西都の3つに分断され戦争寸前”“一般人が拉致され人体実験されている”というやはり壮絶な作品だったため、“ニチアサに逃げたのに地獄が待っていた男”と当時は言われていました。

 実際、初登場は下水道を上半身裸で逃亡するシーン、初セリフは“俺は誰も殺してねぇ!”ですからね(笑)」(前出の特撮ライター)

 そんな『ビルド』は脚本を担当した武藤将吾の要望もあり、『仮面ライダー』では珍しい演技慣れした俳優を多数起用した作品で、赤楚も主演の犬飼を筆頭に多数のアドリブ劇が繰り広げられていた。

 万丈は「バカ」と言われて「せめて筋肉付けろよ」とピントのずれた返しをするなど、劇中でも「愛すべきバカ」というキャラ。24話では武田航平(35)演じる猿渡一海(さわたり・かずみ)と、

一海「なんだ?このエビフライ頭(※茶髪で頭頂部に編み込みがある)」

万丈「エビフライのどこが悪いんだよ?」

一海「悪くねぇけどお前ソースぶっかけるぞこの野郎」 

 という掛け合いをしたり、

「あっちにめっちゃ涼しかった場所あるから、めっちゃ涼しいよ!」「アイス行こうアイス! 腹減った~」(最終回にて)

 という一発で「こいつはバカだ」とわかる台詞を繰り出したりと、驚異的なアドリブ力を見せているのだ。『宇宙船』(ホビージャパン)によると「助監督から声は使わないだろうと言われていたので好き勝手しゃべったら使われてた」とのことだ。

『石子と羽男』では、赤楚のどんなアドリブが飛び出すのか? 今から楽しみだーー。

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