■『若草物語』では“歌子のモデル”三女のベスは闘病生活の末に死去――

 そして、歌子が長期離脱する可能性をより濃厚にする根拠が、『ちむどんどん』がモデルにしている世界的な名作、ルイ―ザ・メイ・オルコットが1868年に著した『若草物語』にある。

 比嘉家の4人きょうだいは、『若草物語』のマーチ家の四姉妹をモチーフに、朝ドラ制作陣がアイデアを出し合って作られた登場人物であることが、NHKドラマ・ガイド『ちむどんどん Part1』(NHK出版)で語られている。

 長男の賢秀は脚本家の羽原大介氏の父がモデルで、そこだけ『若草物語』とは異なるものの、良子は家庭教師をやっていた長女のメグ、暢子はおそらく次女のおてんばで勝ち気、作家の夢を追うジョー。そして、病気がちで内気、音楽が好きな三女のベスがモデルになっていると考えられるのが末っ子の歌子なのだ。

『若草物語』は南北戦争中のアメリカ・東海岸北部を舞台に、父親が従軍中で不在の間、母と4姉妹で過ごした1年間の物語。同作品で歌子のモデルになったと考えられる三女のベスは、猩紅熱(しょうこうねつ)にかかって生死の境を彷徨う。ベスは一命をとりとめたものの、2作目の『続 若草物語』では後遺症でさらに病弱になり、闘病生活を送るさまが丁寧に描かれる。

 そして、ニューヨークでの作家修行を終えて実家に戻ってきた次女のジョーに看取られながら息を引き取る、という悲しい展開があるのだ。

「歌子の病名はおそらく、6月17日金曜日までには判明するでしょう。仕事を辞めなければならないほどの体調不良に、深刻な原因がないとは考えにくい。さすがに死ぬことはないとして、何らかの重い病気が発覚して、本格的に歌子が療養生活を送る展開になるのではと考えられます。

 長期入院なども考えられるでしょうし、モデルであろう『若草物語』の三女のベスのように、実家で療養生活を送る可能性もあります。ただ、それはそれで可哀相な展開ですよね……」(前出のテレビ誌編集者)

 現在、『ちむどんどん』の公式インスタグラムやホームページで公開されている『青春・恋愛編』と銘打たれた予告動画では、歌子が初恋相手の智と2人で、自然あふれる道を歩いている姿が確認できる。智はいま東京で働いているが、故郷・沖縄に戻り、歌子を支えるといった展開も待っているのだろうか。

「初恋の相手・智との恋の展開も気になりますが、歌子は歌手のオーディションに挑戦するほど歌が得意。上白石さんの澄んだ美しい歌声はずっと聞いていたくなるほど素晴らしいものです。しかし、“歌”での大活躍も今のところはなし。その伏線回収はあると信じたいですよね。

 このまま歌子に何も見せ場がなく、闘病生活を送って、恋も夢も叶わないまま死んでしまうなんてことになったら、さすがに哀れすぎる。『ちむどんどん』は放送の度にネットにツッコミの声が上がり、大荒れになりますが、歌子の人生がそんな可哀相な展開になれば、視聴者がさらに大荒れになるのは間違いないでしょうね……」(前同)

「仕事も恋愛も結婚も何にもできないまま死んでいくと思う。そういう運命だはず」

 6月15日の放送回で、そう歌子が語ったような“悲惨展開”だけにはならないことを祈りたい――。

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