■上白石萌歌・歌子もついにブチギレ!!

 そして、第48話ではさらに暢子の4つ目の「超鈍感罪」シーンがある。床に就いている歌子に、暢子は試作品のボロネーゼビアンコを持っていく。だが、歌子は「検査があって食べられない」と拒否するのだ。

 一週間経ち、暢子は新作メニューの開発を考えているときに、昔から書き溜めていた「おいしいものノート」を読んで、歌子の大好物だったイカスミジューシー(イカ墨を使った雑炊。沖縄では古くから滋養食として食べられてきた)の存在を思い出す。ふさぎ込む歌子を元気づけるため、暢子は歌子の大好物であるイカスミジューシーを作ろうと考えるが――。

「東京に到着したとき、おそらく歌子は長旅で疲れている上に、人見知りなのに歓迎会に引き出され、翌日には検査を控えていて、不安な気持ちでいっぱいだったはず。まだお試しのボロネーゼビアンコを試食させる前に、歌子をねぎらって元気づける料理として、イカスミジューシーを作ってホッとした気持ちになってもらおう、とは暢子はならなかったということですよね。

 家族としても、プロの料理人としても、食べる人である歌子の気持ちを考えないのか、という場面でしたね」(前出のテレビ誌編集者)

 ラスト5つ目は6月16日放送の第49話。歌子の発熱について、現代の医療では原因不明と検査結果が出る。暢子は「何の病気もなかったっていうことかも」と明るく声をかけるが、歌子は「じゃあどうして熱が出るわけ? どうしてうちだけ? どうして?」と、思い通りにならない体調に悩まされてきた怒りをあらわにする。

「暢子は、歌子が長年苦しんできて、仕事を辞めなければならないほどの体調不良の原因が、東京の最先端の医療ですら分からなかった……という不安に寄り添うことが全くできていません。歌子がもう少し元気であれば、暢子の言葉もポジティブに受け取ることができたかもしれませんがそうではなく、ついにブチギレてしまったわけです。

 東京に来た歌子は、しきりに沖縄に帰りたがる様子を見せています。おそらく彼女の意思を尊重して、沖縄で療養することになるのでしょう。ドラマの展開的にもまだまだ可哀相なことが続きそうな“薄幸”の歌子ですが、そんな妹をさらに傷つけるようなヒロイン暢子の“超鈍感シーン”は、これからも続くのでしょうね……」(前同)

 歌子を傷つけ、華丸と、そして日本全国の視聴者をイライラさせている暢子の超識鈍感ぶりは、今後、改善されるのだろうか――?

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